MRI は IRM
2010年 02月 11日
話す言語が違うということは
使うアルファベットや単語、文法が違うということであり
頭文字による略語の順番も違ってくるのだ。
MRI は、
フランス語だと、IRM(イー、エル 喉を鳴らすフランス語らし~いエル、エム)
略さないと
英語で magnetic resonance imaging
フランス語で imagerie par résonance magnétique
(今時のPCは、アクサン記号も文字化けせずに伝わるのかな?文字化けしてますか?)
単純な語順の違いと言えますがややこし~い。
日本語にすると 核磁気共鳴画像法
だれもこの語を検査のために使わないでしょうが、
その通り
磁気が共鳴してそれを利用して体内の状況を画像化するわけで
そのときの音がブンブンブン、ドゥンドゥンドゥンとうるさいんですね。
この冬3度目の大寒波が
またうまい具合に検査のランデブーの日にやってくるのだねぇ。
硬直状態かと思われるメルル一羽と
雪景色におはようと言われ
メルルはずいぶん長くそこにじっとしてるけど
大丈夫?
病院へ行くためのお迎えタクシーを待ちながら
「カシューよ、雪の日はあまり遠くへは行かないぞ!」散歩だ。
今年はほんとうに雪が多い。
少し早めにお迎えタクシーがやってきた。
「あなたの前の患者さんは雪のせいで遅れて病院へ到着したけど
あなたは早めに病院へ到着できるわよ!」
元気のよいこの女性運転手によると
この冬の寒さは1985年以来の大寒波だそうだ。
たしか、ツバメの王子が南仏でもかなり雪が積もったときの話をしてくれたことがあったが
それが85年だったんだな。
雪の日だからこそ
ドアツードアのお迎えタクシーの患者への優しさが
いつもにも増して嬉しい。
前回ここには
おととし、2008年の暮れ、病気の診断を下すため
胸のMRIを受けに来た。
そのときは、うつ伏せで装置の中へ滑り込んでいったので
装置の内側は見えなかったけど
今回は頚椎のMRIなので仰向けで装置の中へ滑り込んでいく。
りんご姫は、まじめな患者のはずなんだけど
この装置に入って思ったことは
雪が降っているせいもあるけれど
「リュージュの選手が氷の上をすべるときは
氷の壁がこんな感じで迫ってくるんだろうな」と思ったり
一度外に出て造影剤を注射されてまた中へ滑り込んだときには
「パンやケーキを焼くときに
“いってらっしゃーい”と声をかけて
オーブンの中へ滑り込ませるのと似ているな」と思ったり
装置の中ではじっとしていなければならず
「でもくしゃみをしたくなる人だっているだろうな」と想像してみたり
・
・
・
・
・
そのうち終わってしまった。
映像技師の先生の話では
特に異常は見られないが
とても硬い首をしているとのことだった。
首が凝ってるってわけですか。
この検査結果と昨日の血液検査の結果を持って
また来週には神経の専門のドクターの診察を受ける。
抗がん剤治療は、心身に対して厳しーい治療なので
抗がん剤の種類や量、また治療を受ける人によりけりだけど
その名残の症状が続く場合がある。
私の場合は手足に痺れが残っていて
特に首を動かすとその痺れがひどくなるので
念のため頚椎のMRIを受けるようにドクターに言われたのである。
いろんなドクターと話をした限りでは
抗がん剤の名残はだいたい1年くらいで治まるようだ。
日本語だと「痺れる」という言い方を
「ジンジンする」とか「ピリピリする」等、いろいろに表現するけれど
フランス語でも、そうで、「痺れる」「痺れている」ということを
「 ありんこがいる 」と表現することができる。
そうなんですよ、
りんご姫は、ただいま手足にありんこを飼っていまして
かなり小さいありんこがたくさんいます。
首を動かすと、そのありんこたちがドワーッ、ザザザーッと移動したりするわけです。
約一年間は
このありんこたちを
飼って
飼いならして
調教することになるわけです。
そんなことを言って
アリス姉との電話で笑ってみたりするのです。
「ジンジンする」「ピリピリする」と言ったときに
みんながその感じを共有できるように
「ありんこがいる」と言われて
その感じがわかるのが、とても興味深く面白いので
また笑っちゃうんですね。
“おみやげ”の耳栓をかばんから出したら
いつもかばんの小さいポッケに入れている湯島天神のお守りも一緒に着いてきた。
昨年のちょうど今頃、
「一緒に湯島天神へ行ったのを思い出して、一人で行ってきました」と
20年来の友達が送ってくれたこのお守りのおかげで
一年前の手術にも、その後の治療にも
そして
今回の検査にも“合格”できた気が・・・
ほんの少しだけした。
ちなみに
DNA は AND(フランス語読みで、アー、エヌ、デー)になります。
患者生活もなかなかややこしいものです。
今夜もまた雪である。
ダイヤモンドダストのように小さく眩しく光っている。