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by echalotes
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カシューの失恋と放浪生活の始まり

はい、南仏特派員のりんご姫です。

今回はカシューの大失恋と私たちの放浪生活の始まり、抗がん剤の経過報告をお伝えします!

抗がん剤投与のための一泊入院を控えた前日の夕方、
カシューがいつものように庭で吠え始めました。

通りかかる人を見るたびに吠える番犬カシューですが
ずいぶんと長く吠えるので、
「なにやってるのー?あんまり吠えるとご近所迷惑になっちゃうでしょう!」ってのぞきにいくと
竹の小さな林と落とした枝の小さな山の間に
何か動くものを見つけて騒いでいる様子。

いくら呼んでも、まつぼっくりで気を引こうとしても
ちっとも動こうとしないで、吠えるばかり。
きっと枝から落ちた鳥でも見つけたのだろうと思うけど、
手術後の体で竹の林に入り込むのは怖いな、
怪我したらひと騒動になるしな…

ということで
「アリース!応援頼みます!ちょっと見に来て~」

そして、やってきたアリスが枯れ枝の山の脇から見つけたのは

なんと…


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ハリネズミのエリソンくん!
フランス語でハリネズミは「エリソン」だからね。

カシューは「さわりたい!けど、触れない!一緒に遊びたいのに、遊べない!」
って大騒ぎ。

「カシューが吠えたせいで、エリソン君が心臓発作を起こしちゃったんじゃないか」
って心配するアリス。

「40数年生きてきて、初めてハリネズミを見た~。
ハリネズミって幸せのシンボルだったよね。
抗がん剤の前にハリネズミに出会うなんて、ついているんだろうか?!」
ってやっぱり興奮してるりんご姫。

カシューがエリソン君をつぶしちゃったら大変だ~
ってことで、急遽エリソン君の周りにあった枯葉などを洗面器に入れて
エリソン君の「巣」作りに励むアリスではあるが、
その横で、りんご姫は冷静に
「ハリネズミだって動きたいはずだから、巣なんか作ったって無理だと思うんだけどな」
と、独り言を言う。

それに、エリソン君、
丸くなるとメロンくらいの大きさがあって、かなり大きいのだ。
だから、カシューがつぶそうたって、そう簡単にはつぶせないでしょうー。

カシューが触らないように、作った洗面器の「巣」をさらに庭のテーブルの上のつぼの上に設置したアリスは、
「でも転げ落ちちゃったら大変だなー」
って心配してるけど、
「転げるときは丸くなって落ちるから大丈夫よ!」
って、やっぱりどうしてか冷静なりんご姫。

エリソン君のにおいに興奮してるカシューは、どうしてもエリソン君に触りたいのだが…

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吠えれば吠えるほど、丸くなるエリソン君。

顔が見たいんだけど~
と思うりんご姫。

一度家の中に入ってから、ふと外に出たときにエリソン君の顔を拝むことができました。
携帯で写真を撮ったのだけど、
携帯からパソコンに送れない!
携帯のシャッターの音に驚いたエリソン君はまた丸くなるー。

それから、アリスとりんご姫の小さな会議が始まる。
「このまま庭においておいたら、いずれにしてもエリソン君は動いて
庭のどこかに隠れるでしょう?そしたら、また明日カシューが匂いを辿って
大騒ぎで探すよね」と、りんご姫。
「明日、犬のいないいとこの家にエリソン君を持っていくわ!」と、アリス。
「でも、それじゃ遅いんじゃない?今すぐどこかに持っていったほうがいいと思うんだけど」
「そうね…」
「アリスのお母さんがいる老人ホームの大きな庭の林に持っていくのはどう?」
「それは、いいかもしれない!」

と、さっそくエリソン君を助手席に乗せて老人ホームへと車を走らせたアリスでした。

かくして、ほんの数時間、エリソン君の匂いに酔いしれたカシューは
エリソン君と抱き合うこともなく
大失恋の巻きとなったわけです。

さて、翌日…

抗がん剤投与の前日に
「幸せのシンボルのエリソン君に会えた!」
と思ったのに、すぐに去って行ってしまったな、
幸せは逃げていってしまったのかー
なんて、ほんの少しだけ寂しい思いをして、病院へ向かいました。

吐き気止めやらなんやらの3つの点滴の袋を見つめながら
「あ、いよいよ抗がん剤かー。どきどき、わくわく!?するな」
って、どうしてか、悲観的になれないりんご姫は
「きっと感情の糸が緩んでるんだな、しばらくはこのままほっておこう」
と気ままに過ごすことにしました。

抗がん剤投与は、まあ、さっさとすんで
暇なでも静かな一夜を病院で過ごし、
翌日は病院指定の青い星印マークの入った「簡易救急車」をお願いして
アリスの家まで戻りました。
この「簡易救急車」
わが町でもツバメの王子の病院への往復で利用しましたが
患者のためにやはり乗り心地のいい車が選ばれていて
「がたぴしゃ、ドスン、キキー」と音を立てて、「まったく道路整備がなっていないわね」と言い訳しながら運転するアリスのポンコツ車と違って、快適!快適!
次回からもこの救急車タクシーを利用しよう!と固く心に決めました。

いろんなエピソードから
多少なりともアリス姉さんのキャラクターが皆さんにも伝わったかと思いますが、
アリス姉さん、一言で言ってしまえば「うるさい!」んです。
休もうと思っても、金魚の糞のようにくっついて来て、りんご姫の顔のまん前で話を続けたり、
どこからでも「りんご姫ー、どこにいるの?」って叫ぶし、
朝から晩まで、さらに夜中までテレビつけっぱなしだし…

りんご姫、降参です!KO負けです。

それで、山の麓のアンヌの家に舞い戻りました。
なんて静かなんでしょう!?
心安らぐ~。

とりあえず病気なんだから、
休めるところにいていいですよね!みなさん!?

でも、このアンヌ姉さんも4月半ば前に
近くではあるんだけど、引越しを控えています。
引越しが無事すんだら、そちらの家に滞在させてもらえることにはなってるんだけど
引越しのさなかは、アンヌ姉さんの友人宅の部屋が空いているということなので
そこで“静養”させてもらう予定です。

“静養”のためにこの南仏の町に来たんだけどな~。
なんだか“放浪生活”のために来ちゃったみたいです。

「あーカシュー、我が町の我が家に帰りたいね~」
「そうだね。二人で静かに暮らしたいね~」
って慰めあうりんご姫とカシューでありました。

でも、ブドウ畑に住む年取った馬たちも慰めてくれるし、
もうちょっとがんばろうね、カシュー。

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きっとエリソン君みたいに
誰かが私たちを静かな森に連れてってくれるよね。


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「はい!その日を楽しみにしてるよ~!」

以上、病気以外のことで少々疲れ気味のりんご姫が
南仏の田舎からお伝えしました。
by echalotes | 2009-03-28 19:49 | 南仏での静養